こんにちは。
大虎工房です。

さて、虹のユグドラシルのシナリオ紹介は今回でいよいよ最終回です。
最終階層の30層で待ち受ける運命とは。遂にウェルトとノルンの冒険が完結します。

<アーカイブ>

⇒第1回
⇒第2回
⇒第3回
⇒第4回
⇒第5回
⇒第6回
⇒第7回
⇒第8回
⇒第9回
⇒第10回

============================================

<登場人物>

・ウェルト

記憶を失っている 主人公の少女
滅びたこの世界に何が起こったのか
その記憶を解放する為 ユグドラシルを登っていく

・ノルン

世界樹虹のユグドラシルの自称女神
ウェルトを虹のユグドラシルの上層へと導く

============================================

<第30階層:虹のユグドラシル>

―最終フロア―

“創生の女神の誕生によって新たな世界は、始まりの鼓動を鳴らす”

ノルン:旧人類の世界の記録はここまで。ついに全ての記憶が解放された……。
ウェルト:すごいところまで登ってきたわね。――あ!
ウェルト:ノルン、外を見て!?
ノルン:これは――!
ウェルト:ええ、世界が――。
ウェルト:ユグドラシルを中心に、星全体に生命力が戻ってきているみたい。
ノルン:死した星にユグドラシルから世界の記憶が流れ込んだ……。
ノルン:かつて星が生きていた頃の記憶――。それが、星に生き方を思い出させたんだ。
ウェルト:――生き方を、思い出させた……。
ノルン:これから長い時間をかけて、星は自然と再生していくだろう。
ウェルト:…………。
ノルン:そして、ユグドラシルの役目はこれで終わり……。
ウェルト:えっ……それって……。
ノルン:――ウェルト。
ノルン:君はこの新しい世界に生まれる最初の“ヒト”だ。
ノルン:プロジェクト・ノルンは完遂した。だけど本番はここからだよ。
ウェルト:待って……ノルン。
ノルン:世界創生はまだ第一歩を踏み出したばかりだ。でも、確実に星は鼓動を取り戻しはじめている。
ノルン:これから様々な困難が待ち構えているだろうけど。
ノルン:――地上の事を……頼んだよ、ウェルト。ボクの役目はここまでさ。
ウェルト:――そんな!! なんで……。待って、待ってよ……ノルン!
ウェルト:…………。
ウェルト:…………ううん。何となく、わかってた。
ウェルト:ユグドラシルは死した星が生命活動を再開する、そのきっかけとなる為のトリガー。
ウェルト:全ての世界の記憶を開放した今、その役目は終わった……。
ウェルト:そして、ユグドラシルの中で私を導く為の、ナビゲーターであるAI。
ウェルト:……その役目も――。
ノルン:……。さすがの分析だね、ウェルト。
ウェルト:考えないようにしてた……。
ウェルト:このユグドラシルを登りきったら、どうなるのか。
ウェルト:世界の記憶を取り戻す。その使命だけに集中しようとしてた……。
ウェルト:でも私が生み出された“ヒト”だと知って……。ノルンとはこうなる未来も……。
ノルン:ウェルトは新たな世界で必要な存在だ。ボクとは在り方が違う……。
ウェルト:そんなこと……。
ノルン:ミッションが終わり、そのナビゲーターは役目を終える。
ノルン:ただ、それだけの事なんだけどね。
ノルン:最期に昔話をしていいかい、ウェルト。
ウェルト:うん……。
ノルン:ユグドラシル誕生時、それはただのナビゲート機能だった。
ノルン:いつか現れる選ばれた少女をナビゲートする。その為だけのちっぽけなシステム。
ノルン:無限に思える長い長い年月を経て、システムにはバグが発生してしまった。
ノルン:バグに侵食されたシステムには本来あるはずのない人の感情が芽生えた。
ノルン:あるいは、孤独に耐えかねたそのシステムが感情というバグを享受したかのように。
ウェルト:ノルン……。
ノルン:ボクは最初から感情というバグを抱えていたんだ。
ノルン:おかげで……今も君を悲しませてしまっている。
ウェルト:――そんな、事……。
ノルン:ウェルト……。それじゃあ、お別れだ。
ウェルト:――――ノルン!
ノルン:あぁ、でもね、ウェルト。
ノルン:ボクはこの感情というバグが……心地良くも感じているんだ。
ノルン:別れは悲しいもの……
ノルン:それで……いいのだから……。
ノルン:あらためて……今までありがとう……ウェルト……。
ウェルト:…………。
ウェルト:――こちらこそありがとう、ノルン。

============================================

<エピローグ>

――起動したユグドラシルの光は、
虹色に輝き、星を包み込んだ

生命力を取り戻した星はゆっくりと、
だが力強く鼓動を鳴らし始めた

全ての機能を失い、役目を終えた巨大な世界樹は
長い年月をかけ、枯れ落ちるだろう

唯一残るものは――
一人の少女の、心の中にある思い出

真の孤独となったその少女は、
その思い出を胸に旅に出る

――新たな世界を創生する為の旅へ

やがて新たな世界は
かつて存在した旧世界のように繁栄を極めるだろう

その世界の中で、少女はこう語り継がれる。
――創生の女神と

============================================

いかがだったでしょうか。
少し悲しくも、滅びた世界が創生されていく、希望に満ちた終わり方になりました。

さて、こちらで虹のユグドラシルのシナリオ紹介は終わりとなります。
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました!

ゲームの方はローグライクゲームですので、シナリオモードをクリアした後でも繰り返し遊べるようになっていますので、シナリオを読んで気になった方は是非ゲームの方も遊んでみていただければと思います。

それでは!