こんにちは。
大虎工房です。

今回からは、虹のユグドラシルのシナリオを複数回に分けてご紹介しようと思います。
虹ドラは色彩変化ローグライクというルールが特徴的のゲームですが、シナリオもかなりのボリュームを用意しております。

ゲームをプレイしたけど途中で詰まってしまったという方も、是非こちらでシナリオの補完をしていただければと思います。
また、ゲーム未プレイの方も、虹ドラの世界観が気になっている、という方は是非こちらでシナリオを読んでいって下さい。
特に序盤はルール説明のチュートリアルをシナリオ仕立てで解説していますので、どのようなゲームかもあわせて見ていただければと思います。

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<登場人物>

・ウェルト

記憶を失っている 主人公の少女
ゲーム内ではプレイヤーが名前をつけられる

・ノルン

世界樹虹のユグドラシルの自称女神
ウェルトを虹のユグドラシルの上層へと導く

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<プロローグ>

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<第0階層:世界樹の麓で>

―フロア1―

ウェルト:ここが、世界樹の内部……。
ウェルト:複数のフロアから構成されている、まるで迷宮のようね。
???:もうー! やーっと来た!遅いよ遅いよー!!
ウェルト:え!?今何か、声が……?
???:ここだよ、ここーー!
ウェルト:え? 何?――って、あっ!
ウェルト:ち、小さい……。まるで妖精みたい、えっと……あなたは?
ノルン:やーっと気づいたか!とりあずは、はじめましてだねウェルト!
ウェルト:え……!?どうして私の名前?
ノルン:ふっふーん! それはそうさ!ボクにわからない事はないんだなー。
ノルン:自己紹介が遅れたね、ボクはノルン!ボクこそはこの世界樹“ユグドラシルの女神”!
ウェルト:えっと……?女神……? あなたが?
ノルン:何さ、その疑いの目は?人を見た目で判断しちゃダメなんだぞ!
ノルン:まぁ、ボクが“人”かどうかは置いといてね。
ウェルト:……。
ウェルト:――あの!えっと、色々と状況が理解できてなくて。
ウェルト:あなたが、女神様なら教えてくれませんか!?世界はどうしてこのような姿になったのか?
ウェルト:そして――私は、なぜ私だけが……。
ノルン:まぁまぁ。混乱してるのはわかるけど落ち着いて落ち着いて。
ノルン:いい? わからない事は深く考えない!ボクが思う楽しい生き方の鉄則さ。
ウェルト:は、はぁ……。
ノルン:さて、まず1つ目。世界がどうしてこうなっちゃったかだけど。
ノルン:正直、ボクもよくわかってないんだよねー。
ウェルト:わからない事はなかったんじゃ……。
ノルン:うっ……。 ボ、ボクだって目覚めたばかりで記憶が曖昧なんだから仕方ないだろー!
ノルン:ただ――
ノルン:君の事ははっきりと記憶しているよ、ウェルト。
ノルン:君はこの世界で唯一“選ばれた少女”なんだ。
ノルン:このユグドラシルを登り、世界の記憶を取り戻す。その使命を背負って目覚めたのさ。
ウェルト:選ばれた……少女? 世界の記憶……?何の事だか……私。
ノルン:ボクだけでなくウェルト、君も記憶が。やっぱりイレギュラーな事象が起きてるみたいだ。
ノルン:ともかく、このユグドラシルを登っていくしかボクたちに道はないみたいだね。
ノルン:じゃあまぁ早速だけど、はいこれ!
ウェルト:え……。な、何ですかこれ?
ノルン:何って、そりゃあ槍だよ、槍。これから戦うんだから武器は必要でしょ?
ウェルト:はぁ……。――って戦うってどういう事ですか!?
ノルン:どういう事も何も、ボクは戦えないからね。君に戦ってもらわないと!
ウェルト:戦うなんて、私にできるわけ――…………え?
ノルン:おー、やっぱり直感的にわかるみたいだね。槍を構えた姿も様になっているじゃないか!
ノルン:そう、君には戦う力がある!このユグドラシルの中では、ね。
ウェルト:で、でも私――
ノルン:まぁまぁ、何事も為せば成るさ!
ノルン:ともかく――出発しようじゃあないか!
ノルン:このユグドラシルを登り、世界の記憶を取り戻すために!

チュートリアル:方向キーで移動し、次のフロアへと繋がるゲートを目指します。

―フロア2―

ノルン:ウェルト、さっき君には戦う力があると言ったね。
ノルン:その力の源があれさ。ボクはあれの事を「感情の種子」と呼んでいる。
ウェルト:感情の種子? 普通の植物ではないようだけれど。
ノルン:そう、このユグドラシルに宿る植物は地上とは全く違うものなんだ。
ノルン:そしてこの「感情の種子」には、人の持つ感情の力が秘められている。
ノルン:ユグドラシル内で感情の力は色で表現されるんだ。
ノルン:ともかく、百聞はなんとやらさ!ウェルト、あの種子を拾ってみて。

―フロア3―

ウェルト:私自身の色が、変化した……!?
ノルン:そう、それが君の力なのさ、ウェルト!
ノルン:そして君に託したその槍は、使用者の感情の力に呼応して力を発揮する。
ノルン:つまり、感情の力とは戦う力。君は色を帯びれば帯びるほど強くなれるんだ。
ウェルト:私自身の色が、戦う力……。
ノルン:ただし、その力はユグドラシルの中だけのもの。入るたびにリセットされるから気を付けてね。
ウェルト:感情がリセットされるんですか?
ノルン:まぁ、詳しいことはボクもわからないけどねー!人の感情なんて一時のもの、なんてね。ふふふっ!
ウェルト:な、何か適当ですね……。

チュートリアル:RGBのステータスが攻撃・防御力に影響します。

―フロア4―

ノルン:――おお、あれは!
ノルン:ウェルト、君に授けたその槍には、それ自身の感情ともいえる力があるんだ。
ウェルト:武器そのものに感情が……?
ノルン:ああ。そして、その感情の核となるのものがあれさ。
ウェルト:あれは……。なんだろう……宝玉のような?
ノルン:そう、それは“心器”と呼ばれる宝玉。その槍に装着する事で真の力を発揮するのさ。
ノルン:さぁ、“心器”を拾ってみて、ウェルト。
ノルン:“装備”することも忘れないようにね!

チュートリアル:心器に関して
チュートリアル:ITEMボタンから心器タブを選択し、タッチする事で装備できます。
チュートリアル:心器にもそれぞれRGBのパラメーターがあり、種類によっては特殊な能力を持つものがあります。

―フロア5―

ノルン:さて、心器の装備はできたかいウェルト?さっそくのお出ましさ……!
ノルン:あれはこのユグドラシルに発生しているバグ。つまりボクたちの“敵”、倒すべきモンスター!
ウェルト:あれが……敵!?
ノルン:さぁ! この階層の敵はまだザコ!その力でちゃちゃっとかたずけちゃってよ!
ウェルト:う、うぅ……。た、戦うの私なんですよね……!?

チュートリアル:攻撃ボタンを押すと、正面に攻撃を放ちます。
チュートリアル:自身と心器、敵のRGBのパラメーターに応じてダメージを与えることができます。

―フロア6―

ウェルト:はぁ、はぁ。なんとか、勝てました……!
ウェルト:しかもこれ……。倒した敵の感情の力を吸収している……?
ノルン:うまく感情の力をコントロールできたみたいだね。そう、バグは倒すと一定量の色を吸収できるのさ。
ノルン:さすがはユグドラシルに選ばれた存在。よっ!選ばれし少女!
ウェルト:…………。な、なんか調子狂うのでやめて下さい……。
ノルン:なになにさっきからー。ちょーっとかしこまりすぎだよ、ウェルト!
ノルン:これから2人でユグドラシルの頂上を目指すんだ。長い旅になるんだから、仲良くやろうよ!
ノルン:まーずーは、敬語禁止! あと、ボクの事は気軽にノルンって呼んでくれていいよ!
ウェルト:ちょ、ちょっと待って下さいっ!
ノルン:ぶーぶー。
ウェルト:わ……わかったわ。ノ、ノルン。
ノルン:よろしい!
ウェルト:あの、さっき2人って言ったけど……他に協力者はいないの?
ウェルト:今の敵は何とかうまくいったけれど、やっぱり私、戦いなんて自信ないよ……。
ノルン:あー。……ごめん、ボク嘘をついてた!
ウェルト:え、何?
ノルン:世界のこと……知っている重要な事実が1つある。
ウェルト:――!!
ノルン:協力者は現れないんだ。ボクたちは2人きりでこのユグドラシルを登る。
ノルン:なぜなら、この世界は――。
ノルン:既に滅びているから、ね。
ウェルト:――――。そん、な……。
ウェルト:じゃあ、私は……。私以外の人間は……?
ノルン:……君はたった一人、選ばれたのさ。君以外の“ヒト”は――この世界に存在しない。
ウェルト:な、何で……、私が……?
ノルン:さっきも言っただろ?わからない事は深く考えない。
ノルン:それに、さっきまでお互い1人だったんだから、それよりは大分マシでしょ?
ノルン:ボクなんて戦えないから、ひどかったよー?
ノルン:1人でユグドラシルを探索しようとしてたら、バグたちに追っかけまわされちゃってさ!
ノルン:ボクはユグドラシルの女神だってのに!ほんとひどいやつらさ!
ウェルト:…………。
ウェルト:……ふふっ。わからない事は深く考えない、か。
ウェルト:それも、そうだね。ありがとう、ノルン。
ウェルト:あなた、どこか抜けてそうで、頼りなく感じていたけれど、本当は優しいんだね。
ノルン:あー! 女神に向かって頼りないとは、失礼だぞ!
ウェルト:ふふっ。フレンドリー、でしょ?
ノルン:むー。
ウェルト:――私、決心ついたよ。
ウェルト:ノルン、言ったよね。“ユグドラシルを登り、世界の記憶を取り戻す”。
ウェルト:それが私の使命だって。
ノルン:うん、そうさ。気づいたみたいだね、ウェルト。
ノルン:ユグドラシルを登れば、この世界の記憶が蘇っていく。
ウェルト:それはつまり――この世界に何が起きたか、真実を知るという事。
ウェルト:――行こう、ノルン。
ウェルト:この巨大なユグドラシルを登り、世界の記憶を蘇らせる為に!

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さて、いかがだったでしょうか。
初回という事で少し長くなってしまいましたが、ウェルトがノルンと出会い、旅立つところまでのシナリオでした。
次回はいよいよ本格的に2人の旅が始まります。お楽しみに。

それでは!