こんにちは。
大虎工房です。

虹のユグドラシルのシナリオ紹介、第8回です。
今回は25層まで、人の歴史の終わりが語られます。

<アーカイブ>

⇒第1回
⇒第2回
⇒第3回
⇒第4回
⇒第5回
⇒第6回
⇒第7回

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<登場人物>

・ウェルト

記憶を失っている 主人公の少女
滅びたこの世界に何が起こったのか
その記憶を解放する為 ユグドラシルを登っていく

・ノルン

世界樹虹のユグドラシルの自称女神
ウェルトを虹のユグドラシルの上層へと導く

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<第21階層:科学の海>

―フロア1―

ウェルト:ねぇ、ノルン。あなたの戻った記憶で、私の事は何かわかった?
ノルン:ウェルトはユグドラシルを登る、選ばれた存在。そしてボクはそれをサポートするナビゲーターさ。
ノルン:君の存在は世界の記憶とも深く関わっている。
ノルン:この先に進み、世界の記憶を開放する事自体が、君の存在を証明する事にもなるはずさ。
ウェルト:――私の存在が……世界と深く関わっている?

―最終フロア―

“科学の海を渡る術を得た人は――爆発的に進歩する。”

ウェルト:いよいよ科学が発達してきて、私の知る現代に入ってきたって感じね。
ウェルト:科学――。
ウェルト:……ノルン。1つだけ確認したい事があるんだけれど。
ウェルト:今の世界は、私が知る世界から見て遥か未来の世界――、これって正しいのよね?
ノルン:ふむふむ、ウェルトお得意の考察ってわけだ。
ノルン:まぁ薄々感じていたとは思うけど、そういえばはっきりとは言っていなかったね。
ノルン:ウェルトの考察通り、それはその通りさ。
ウェルト:(じゃあ……やっぱり私は、時を……。)

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<第22階層:それぞれの正義>

―フロア1―

ウェルト:ノルン――。何か雰囲気が変わったみたい……。
ノルン:気づいたみたいだね、ウェルト。この先の階層は人類の罪を色濃く反映している。
ノルン:特にこの層は特殊みたいだ。複数のS級巨大バグデータの発生が確認できる。
ウェルト:いよいよ、核心に迫り始めたって感じね。

―最終フロア―

“無数にある正義の形は――やがて決裂を生んだ。”

ウェルト:それぞれの正義、難しい話だね。
ノルン:そうだね。そしてその正義は罪の裏返しである事も多い。
ノルン:正義を強く振りかざす事は、ある種の傲慢。そういう風に言い換える事もできるわけだしね。
ウェルト:……ユグドラシルに発生しているバグ。人の罪……か。

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<第23階層:争いの歴史>

―最終フロア―

“人類の系譜――それは争いの歴史そのものだった。”

ウェルト:確かに、特に近代の人類の歴史って、紐解くと戦争の歴史だった気もするわね。
ノルン:これも難しい話だよね。争いがあったからこその進化だったとも言えるし。
ノルン:そいういう意味だと、罪深い種族ほど、高度な成長を遂げるのかもしれないね。
ウェルト:…………。
ノルン:ん、どうかした? ウェルト?
ウェルト:なんかノルン……。
ウェルト:記憶が戻り始めてからコメントがまともすぎてものすごく違和感があるわ……。
ノルン:な、な、なんだよー!!ポンコツなままよりはいいだろー!?

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<第24階層:終わりの兵器>

―フロア1―

ノルン:ここからの3階層は遂に人類滅亡の核心――つまり、人の罪が最も深く刻まれた階層だ。
ウェルト:えっと、危険……って事よね?
ノルン:それはもちろんなんだけど……。ボクが持つデータによると対策もできそうなんだ。
ウェルト:ノルンが役に立っている……。
ノルン:今までも役に立ってたでしょー!ま、まぁとにかく聞いてよ!
ノルン:これまでの階層では色ごとに発生するバグに法則性があったよね。
ウェルト:ええ。 例えば赤のフロアだと強欲や憤怒のバグが発生しやすい、とかよね?
ノルン:そうそう、それさ。
ノルン:でもここからの階層は様々な感情の色が入り混じるその名の通り混沌とした世界の歴史だ。
ウェルト:なるほど、様々な色のバグが出てくるってことね。
ノルン:ただし――逆にバグの種類には法則性があるみたいだ。
ノルン:この階層で出るバグは3種類みたいだ。“色欲の罪アスモデウス”、
ノルン:“嫉妬の罪レヴィアタン”そして“暴食の罪ベルゼブブ”さ。
ウェルト:つまり、バグの種類の方で対処を考えるべきってことね。

―最終フロア―

“終わりの兵器が完成する――それはまるで全ての罪を具現化したかのように。”

ウェルト:――終わりの……兵器?これが、人類滅亡の直接的な原因……なの?
ウェルト:ノルン、これは核兵器の事、よね?そんな……人類は結局何も学ばなかったというの?
ノルン:まぁ、厳密に言うとウェルトが言う旧世代の核兵器ではないけれど……。
ノルン:概ねはウェルトの思うとおりさ。人類の滅亡は“自滅”で間違いない。
ノルン:――拍子抜けかい? ウェルト。
ウェルト:それは……。
ウェルト:ううん。それより、旧世代の核兵器って何?
ウェルト:私の思う終わりの兵器というのは、ノルンの知るそれとは違うっていう事?
ノルン:ああ、そういう事になるね。
ノルン:ここから先は進んだ方が早い。行こうウェルト、真実はすぐそこさ。

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<第25階層:滅びの光>

―フロア1―

ノルン:この層も、人の罪が最も深く刻まれた階層さ。
ノルン:この階層で出るバグは2種類。
ノルン:“強欲の罪マモン”と“怠惰の罪ベルフェゴール”みたいだね。
ウェルト:脳筋と妨害、なかなかいやらしい組み合わせね。

―最終フロア―

“滅びの光は放たれた――星の命を貫く矢となって。”

ウェルト:遂に終わりの兵器が使われてしまったのね……。
ウェルト:それで、ノルン。私とあなたで知っている兵器が違うのはなぜ?
ノルン:――ウェルト。君が、生きたと記憶している西暦はいつだい?
ウェルト:え、えっと……。西暦2000年くらい……だけど。
ノルン:この兵器が使われたのは2300年代、ウェルトの生きた時代から少し未来なんだ。
ウェルト:――――。
ウェルト:も、もちろん……。“今”はもっと未来って事……よね?
ノルン:…………。
ウェルト:じゃぁ……私はやっぱり――
ウェルト:コールドスリープで時を超えた旧人類、という事?
ノルン:――まぁ、そう思うよね。でもその結論を出すのはまだ早いよ、ウェルト。
ノルン:さぁ――次の階層に進もう。

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いかがだったでしょうか。
人が滅亡し、いよいよこの先は未知の歴史。

物語もクライマックスです。
次回もお楽しみに。

それでは!