こんにちは。
大虎工房です。
虹のユグドラシルのシナリオ紹介、第10回です。
今回は、28層と29層のシナリオ、いよいよ虹ドラの世界観、そしてウェルトの真実が語られます。
<アーカイブ>
⇒第1回⇒第2回
⇒第3回
⇒第4回
⇒第5回
⇒第6回
⇒第7回
⇒第8回
⇒第9回
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<登場人物>
・ウェルト
・ノルン
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<第28階層:プロジェクト・NoRn>
―最終フロア―
“Project「NoRn」――それは人類の的外れな最期の希望。”
ウェルト:――――!!
ウェルト:プロジェクト……ノ、ノルン??ちょっとまって、ノルン……ですって!?
ノルン:そう、人類は滅亡を回避する為にあるプロジェクトを発足した。
ノルン:それがプロジェクト・ノルン。
ノルン:「Not Ruin」の略称でNoRn。つまり、破滅を逃れるというコードネームなのさ。
ウェルト:――そ、それじゃあ。私たちの今の状況……は?
ノルン:そう、このプロジェクトの一環という事。
ノルン:文字通りボクはナビゲーター。NoRnを成功させる為に存在するAIさ。
ウェルト:ノルンがAI――。それは――ど、どんなプロジェクト……なの?
ノルン:…………。
ノルン:ウェルト、ボクは君の覚悟を何度も聞いている。
ノルン:だから――それでもあえて聞くことを許してほしい。
ノルン:…………この先に進み、真実を知る覚悟はあるかい?
ウェルト:――――。
ウェルト:ノルン――。
ウェルト:何よ、何よ!さっきからかしこまりすぎじゃない?
ウェルト:下層で初めて会った時、ノルンが言ったのよ?さぁもっと明るくしなきゃ……あなたらしくない。
ノルン:ウェルト……。
ウェルト:覚悟……。 できてるよ。
ウェルト:そして、その“予想”も――
ノルン:さすが、ウェルトの分析力だ。
ノルン:そういえば下層では記憶のカケラ当てクイズ、情報が欠落してたとはいえ、勝てなかったもんね。
ウェルト:ふふっ、思い出した?
ノルン:ああ。
ウェルト:…………。
ノルン:そう、プロジェクト・ノルンとは――。あらがえない人類滅亡への苦肉の策。
ノルン:新たな人類に変わる存在を生み出し――滅亡した世界を創生する為のプロジェクトさ。
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<第29階層:Nullの世界>
―最終フロア―
“Nullの世界――長き戦いの果てに、一人の少女が選ばれる。”
ウェルト:Nullの……世界。
ノルン:Nullの世界。それはヒトを誕生させる為に作られた電脳空間だ。
ノルン:全人類の感情、記憶のデータを集め、途方もない期間をかけてAIに学ばせたんだ。
ノルン:そして研究の最終段階として、AIを少女に見立てて空間内で戦わせた。
ウェルト:――戦う、ですって。
ノルン:今のユグドラシルと同じ、概念としての戦いさ。感情の力を使った戦い――。
ノルン:少女たちは戦いの中で破壊と再生を繰り返し、データをアップデートしていった。
ノルン:ただ1人、新たな人類に変わる存在、選ばれし少女が誕生するまでね。
ノルン:それには、更に途方もない時間を必要した。
ノルン:やがて人類は滅び――残ったNullの世界だけが稼働し続けた。
ノルン:そして――――
ウェルト:誕生したのが、私ってわけね。
ノルン:…………。ショックじゃないのかい?
ウェルト:今さら……よね。
ウェルト:私の記憶も最初からそうインプットされた情報。そう言われた方が納得できる事が多いの。
ウェルト:具体的な思い出がないっていうのも、おかしいと思っていたの。
ノルン:それも、予想かい?
ウェルト:そうね、魚の料理法の話をした時――
ウェルト:どれも美味しい、という知識はあったけど、実際に食べたという経験は知識として無かった。
ウェルト:記憶喪失とはいえ、おかしいとは思ってたのよね。
ノルン:それって大分下層での話だった気が……。
ノルン:ははっ……。ホント君には驚かされっぱなしだよ、ウェルト。
ウェルト:でしょ?なんたって、選ばれた少女……だからね!
ノルン:ふふっ、さすがだね!
ノルン:じゃあ行こうかウェルト。次が最後の階層だ。
ウェルト:ええ、行きましょう。 プロジェクト・ノルンの完遂。――世界を創生する為に、ね。
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いかがだったでしょうか。
滅びた世界の中で、人類が最後に希望を託した選ばれた少女。
遂にウェルトの真実が語られましたね。
プレイしていただいた方はわかると思いますが、大虎工房の前作、「白の少女」はこの選ばれし少女を1人選ぶ為の戦いを描いた作品であり、虹のユグドラシルへ繋がる世界観になっていたという事です。
このあたりもあわせて楽しんでいただければ幸いです。
いよいよ次回は虹のユグドラシルのシナリオ最終回、お楽しみに!!
それでは!